コロンビア先住民族-2

2・大土地所有に圧迫される先住民族


 今からおよそ五百年前、アメリカ大陸にスペイン人が侵入してきた。侵入者の手によって、次々に各地の民族が征服され、それまで暮らしていた豊かな土地を追われていった。
 コロンビアを含めラテンアメリカ諸国ではその時以来今も同様に、一握りの人間がその国の大部分の土地、富を握っている。そして、植民地化されていく過程で「先住民族」呼ばれていった民族は搾取され、湿地帯や山岳地帯といった厳しい環境での生活を余儀なくされている。
 
 カウカ県においても同様のことが言える。
 
 県北部からバジェ県にかけて、広大なバジェ平原が広がっている。ここは大昔広い湖があったため数メートルの肥沃な土が堆積している。年間を通して温暖な気候もあって、「何を植えてもよく育つ」非常に農業に適した土地を持つ。ここには、一部の人間である大土地所有者による大規模な農園が広がっている。
 一方、バジェ平原の東端からせせり立つ峻険な中央アンデス山脈には、多くの先住民族がコミュニティーで暮らしている。

 現状を数字で見ると、より鮮明に状況が浮かび上がってくる。
 IGAC(The International Global Atomosperic Chemistry),INCODER(Instituto Colonbiano de Desarrollo Rural)の二〇〇三年時点での報告によると、土地所有者の約四〇パーセントが、県内の二パーセントの土地を分け合っている。そして、わずか三パーセントの土地所有者が、県内のほぼ半分の土地を所有している。さらに、県内の二十五パーセントの土地を分け合う〇.五パーセントの人々が所有する土地の個々の広さは、百ヘクタール以上(東京ドームの約二十一倍)以上となっている。この中には、千ヘクタール以上の土地を持つ、百五十七人が含まれる。反対に、四十パーセントの人々は、それぞれ一ヘクタール以下の土地しか持たない。
 次に、先住民族コミュニティーに目を移す。カウカ県内における先住民族コミュニティーの土地は、総計で五十四万四千九百一ヘクタールである。これは主に山間部にあり、県全体の約十八パーセントである。しかし、その中で実際に生産性のある土地は、十九万千二百三十七ヘクタールしかない。コミュニティーの土地全体の三分の一である。残り三分の二は非生産的な、農作物の育たない高地パラモ、開拓することの難しい沼地、山、森である。生産性のある二十一万八千百六ヘクタールの土地が、山間部に暮らす先住民族にとって最低限必要とされている。
 カウカ県内の二十パーセントが先住民族である。その人々が、県内の十八パーセントの土地のさらに三分の一の地域で生活をしている。そこでは年々人口の増加に伴い、一人当たりの土地はさらに減り続けている。
                                                             ~つづく
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