DSC_7935.jpg

ある集落に四晩世話になりました。
二〇〇六年に入植しできたサパティスタの集落です。

ここにはまだ、水道、ガス、電気がありません。
水は集落内の二か所から湧き出る泉に、日に一度汲みに行きます。火は薪で起こし、料理に使います。火を起こすためのマッチは、集落に一件ある雑貨屋で買います。夜外出するときは、懐中電灯で道を照らす。そんな生活です。

男性はコーヒー、トウモロコシ畑で、女性は家事を、ともに毎日早朝から働き出します。
働くことが、ここでは何よりの価値であるように思います。

特に女性の仕事に目が行きました。
朝、日の出前の5時に起きて囲炉裏に火を入れます。皆が起きてくるのが6時過ぎくらいなので、その前に、前日に挽いて水を加え、大きな団子状にしたトウモロコシで、主食のトルティーヤを焼き始める。

炉辺には、大きめの缶をいくつか置き、白湯、コーヒーを沸かしておく。副食の豆もこれで煮る。豆は多めに作り置きします。

白湯は、起きてきた家族が、食事の前に手を洗うためのものです。これでいつ家族が起きてきても、すぅっと炉辺に座り食事を始められる。一日の始まりです。

お母さんは、起きてきた家族をてきぱきと捌いていきます。寝ぼけ眼で食卓に来た男たちに手洗いの白湯を渡し、炉辺の椅子へ誘導する。はいはい、おはようと言いながら。
今日の予定など会話の中で聞きながら、座った順にトルティーヤを焼きつつ渡していく。パンパンとトルティーヤを手で伸ばす音が小気味良く響きます。

流れるように動くお母さんのペースで朝が始まっていくのです。

合間に自分もトルティーヤをつまみながら、家族が仕事に持っていくお弁当も一緒に準備してしまう。

その姿が何とも鮮やかで、爽やかで、美しく映ったのです。

僕が集落を出る日には、僕の分のお弁当も用意してくれてました。トルティーヤと卵焼きと煮豆。それに、ポソルというトウモロコシの飲み物もつけてくれました。
関連記事
スポンサーサイト

Comment

Comment Form
公開設定

Trackback


→ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。