2004年 ニカラグア

2004年、ニカラグアの首都マナグアゴミ捨て場に通っていた。
毎日、毎日、一ヶ月間通い続けた。沢山の人が働き、生活するその場所で、僕は初めて写真を撮るために人と真正面からぶつかった。今考えると、無我夢中だった。何かを掴まなければと必死だった。

その直前に、ある方の後をついて、そこに入った。そして突き放され、一人になった。
ここが僕にとってのスタートラインだったのかもしれない。

ゴミ捨て場で、一人になって初めて、そこを生活の場としている人たちと向き合った。
相手を知らない怖さの中で、腹を決めて通うようになって、相手の顔が見えてきた。同じ人間だった。
僕が相手の顔を見ると、相手も僕の顔を見てくれるようになった。僕が名前を呼ぶと、相手も名前を呼んでくれた。

ニカラグアは暑かった。本当に暑くて、自分の小ささに打ちひしがれて、くたくたになった。
でも、今も体の中にくっきりと残っている。ゴミ捨て場に立ち込める煙、腐った果物の匂い、熱風の温度、交わした会話、人の声。

時々、どうしようもなく自信がなくなる。そんな時、どうしようもなく苦しくなる。いつまでたってもこの繰り返しだ。そのたびに、今の自分は間違っていないかと不安になる。 数年後のその方に会ったとき「僕は間違っているんじゃないでしょうか」と話すと、「みんな間違いだらけだよ」といったくださった。


心が折れそうになったとき、ニカラグアを思い出す。志を忘れてないかと自問する。




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Comment

みんな間違いだらけだよ
いい言葉だ。
  • 2011/10/24 19:28
  • 写精
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今も右往左往しっぱなしなんですけどね
  • 2011/10/31 11:23
  • しばた
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